日本の敵速報

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[寄稿]非核化、北朝鮮関係者の質問と私の答え

北朝鮮は、トランプ大統領が制裁の解除に乗り出せる名分を提供しなければならない。最近、米国は、来春に予定されていた韓米合同軍事演習「トクスリ」演習の猶予を決定した。朝米対話の意志を示す望ましい決定だ。ジョン・ボルトン大統領補佐官は「非核化に成果があれば、対北朝鮮経済制裁の解除を検討できる」と発言した。これは、完全な非核化が行われない限り、制裁を解除できないという従来の立場とは確かに異なるものだ。北朝鮮の追加的な非核化措置の決断を引き出すために、米国が先に柔軟性を示したという点で、意味が大きい。

 朝鮮半島の非核化局面の展開に伴い、今秋、南北行事に出席するため、11年ぶりに数回北朝鮮を訪問する機会があった。久しぶりに北朝鮮関係者に会ったが、顔見知りの人もかなりいた。彼らは、相手の機先を制するため、高圧的な態度で体制宣伝に没頭していた過去に比べ、柔軟になっており、実用主義的な態度を示した。

 統一部長官出身の朝鮮半島専門家という履歴のためか、行事に同行した北朝鮮関係者らは時折、現情勢に対する私の判断を聞きたがっていた。おかげで、彼らと様々なことについて話し合うことができた。その対話から、国連の対北朝鮮経済制裁の解除に対する彼らの熱望がにじみ出ていた。4月に北朝鮮の国家発展路線が「核・経済並進」から「経済発展総力集中」に切り替わってから、外部との経済協力がさらに切実になったようだった。そのため、自然に制裁解除のカギを握る朝米間の非核化対話に関心と質問が集中した。

 彼らの質問の要点は、北朝鮮が先に非核化を進めた場合、「本当に米国が彼ら(北朝鮮)を生かしておくだろうか」ということだった。今年10月の平壌(ピョンヤン)訪問の時も、北朝鮮関係者が私に投げかけた最初の質問は、「我々がリビアのようにならないという保証があるか」だった。米国から体制保証の約束を取り付け、核兵器を放棄したリビアカダフィ政権が、市民軍との内戦過程で米国が主導するNATOの攻撃を受け、没落したことに関する質問だった。米国がカダフィ大佐の没落に関与したことが、少なくとも北朝鮮にとっては「合意による核放棄の危険性」を知らせる赤信号になったのだ。実際、北朝鮮カダフィ大佐の死亡(2011年10月)直後の2012年4月、憲法に核保有を明記した。私は、北朝鮮が非核化した場合、いかなる場合であれ、韓国が米国の対北朝鮮攻撃を必死で阻止し、中国も座視しないはずであり、北朝鮮リビアの状況は根本的に異なると力説したが、彼らが私の話をどれほど信頼したかは自信がない。

 このような脈絡からすると、北朝鮮が非核化と朝米間の信頼形成の連動を求めるのは合理的だ。すなわち、完全な非核化を制裁解除の前提として掲げる米国の主張よりも、「ギブ・アンド・テイク式の段階的同時行動」を通じた信頼構築が必要だという北朝鮮の主張の方が、より説得力がある。すでに核・長距離ミサイルの実験・発射を中止し、地下核試験場まで爆破した北朝鮮に対し、米国がすぐに相応の措置を取ると言ってもおかしくない状況だ。

 しかし、非核化の膠着局面を突破するための解決策を問う北朝鮮関係者らに、私は、悔しくても北朝鮮がもう一度先に進展した措置を出すことで、米国の柔軟性を引き出さねばならないと答えた。世界唯一の超大国であり、覇権国家の米国が、同時行動を拒否する状況で、それを矯正するのは極めて難しく、北朝鮮国益を増進させる道は先制的な折衷だけだと助言した。

 朝米間の膠着局面の打開が切実な今、再び私の答えを振り返ってみる。トランプ大統領は、金正恩キム・ジョンウン)委員長が「経済富国」という未来を選択するため、核兵器を放棄しようとしている事実を知っている。だからこそ彼は、金委員長の選択を鼓舞するためにも、できれば制裁を解除したいと思っている。しかし、北朝鮮に対する不信感が蔓延している米国の政界は、全くそのような気配がない。トランプ大統領も、新しい名分なしにこの状況を突破するのは難しい。

 何をすべきなのか。北朝鮮は、トランプ大統領が制裁の解除に乗り出せる名分を提供しなければならない。最近、米国は、来春に予定されていた韓米合同軍事演習「トクスリ」演習の猶予を決定した。朝米対話の意志を示す望ましい決定だ。さらに、ジョン・ボルトン大統領補佐官は「非核化に成果があれば、対北経済制裁の解除を検討できる」と発言した。これは、確かに完全な非核化が行われない限り、制裁を解除できないという従来の立場と異なるもので、今年6月の朝米首脳会談直後、トランプ大統領が「非核化が20%に達すれば、不可逆的になる」と述べ、制裁解除の基準を示唆したのと同じ脈絡だ。北朝鮮の追加的な非核化措置の決断を引き出すために、米国がまず柔軟性を示したという点で、意味が大きい。

 これからは、北朝鮮が動かなければならない。北朝鮮は、トランプ大統領が「金正恩委員長の非核化への意志が明確であり、北朝鮮の非核化は不可逆的に進んでいる」と主張し、米国政界の悲観論を克服して、対北朝鮮制裁の緩和に乗り出す名分を提供する必要がある。そのためにも、創意的な追加非核化措置が求められる。そして、その答えを模索するために仲裁者の役割を果たしてきた韓国政府とも、膝を突き合わせなければならない。

イ・ジョンソク元統一部長官・世宗研究所首席研究委員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/873

[ニュース分析]在韓米軍維持を前提としたプランB…兵力規模の調整などが争点に

国防部が「プランB」用意した理由とは 
 
プランBが必要な理由は 
北朝鮮を敵視したプランAだけでは  
朝鮮半島の緊張緩和に備えることができず 
軍構造、安保戦略の変更を念頭に置くべき 
 
どのような内容が盛りこまれるのか 
韓米同盟と在韓米軍の維持が前提 
従来と180度変わるのは難し

 国防部が「国防改革2.0基本計画」に代わる予備計画としてまとめた「プランB」は、朝鮮半島北朝鮮による戦争の可能性が消えた場合は、安保政策の変化が避けられないという認識から出発する。現在の国防基本計画、すなわち「プランA」が北朝鮮を安保の最大の脅威と考えている一方、「プランB」は南北平和共存時代を想定し、朝鮮半島周辺における米中の覇権競争など新たな脅威に対応するという趣旨だ。

 現在の国防改革2.0推進計画は、北朝鮮の核・大量破壊兵器および通常兵器の脅威が高まった状況に対応するために作られた。北朝鮮の非核化が可視化し、南北軍備統制のレベルが高まれば、計画の論理性と正当性が失われる。ハンギョレが9日に入手した国防部の「国防改革2.0推進現況」資料で、政府は「プランA」に代わる「プランB」の必要性について、「非核化および南北関係の変化が継続して進展すれば、現在の軍構造発展計画の変更が避けられない」としたうえで、「膨大な軍構造計画の随時変更に伴う困難とリスクを考慮し、『非核化および平和協定締結の可視権進入』の際に適用できる別途の計画が必要」だと説明している。

 国防部の「プランB」の準備状況をよく知る消息筋は、「プランB」への転換のカギは、北朝鮮非核化の「不可逆性」の確認だと指摘した。同消息筋は「例えば、北朝鮮が核開発に使う核心部品を破棄すれば、未来の核がなくなる結果となる。このような様々な措置が重なり、『北朝鮮がこれほどの核を放棄したなら、後戻りはできない』という共感が形成される時が来るだろう。このように北朝鮮の非核化が可視化すれば、『プランB』への転換を考慮できるだろう」と説明した。

 同消息筋の発言によると、「プランB」に転換するためには、様々な条件が必要だ。北朝鮮の脅威が減少し、戦時作戦統制権の返還が実現しなければならず、これによって韓国の国防力が現在よりも強化されなければならない。核物質・施設の申告や寧辺(ヨンビョン)の核施設の査察など、米国や国際原子力機構が認める北朝鮮の実質的な非核化措置と共に、朝米関係の進展や南北軍備統制の構造化、世論なども、転換に影響を与える要素に挙げられる。

 「プランB」の具体的な内容はまだ決まっていないが、韓米同盟と在韓米軍の存在を前提に作成されるという点で、「プランA」との共通点が少なくないとみられる。軍関係者は「『プランA』の60~70%は維持され、30~40%程度が変わる。この中で、一部は戻りやすい水準で設計される可能性もある」と説明した。同関係者は「国防部は最悪の状況を想定して計画を立てるため、『プランB』といってもバラ色で描くことはできない。どうすれば一定水準以上の軍事力が確保できるのか、どうすれば国民の共感を得られるのかを、すべて考慮するしかない」と付け加えた。

 「プランB」に転換しても、目標を達成するには5~10年、長くは15年までかかる可能性もある。推進現況の資料によると、国防部は「プランB」の完成時点で、北朝鮮の非核化が完了し、平和協定が締結されるとみている。この時点では、米国の北朝鮮非核化宣言▽北朝鮮潜在的核能力は推定されるものの、実際の作用は制限される状況▽南北が実際に軍事力を縮小、制限、廃棄する構造的軍備統制などが行われると仮定した。戦時作戦統制権の移管▽国連軍司令部の一部機能の縮小▽在韓米軍司令部の維持▽在韓米軍の小幅削減や再配置▽韓米並列型指揮体系の調整なども、予想リストに含まれた。

 国防部は資料で「プランB」が完成する時期の東アジア安全保障環境として、「中国の地域内影響力の強化および米国のけん制が深まる」状況を挙げている。韓米同盟と日米同盟が維持される状況で、中国が軍事力を増強し、主要な地域に軍事力を展開すると見通した。

 「プランB」に転換する際の争点としては、韓米連合指揮体系の調整や兵力構造の変化などを挙げた。部隊・兵力構造の側面から、現在61万8000人の常備兵力(2020年までに50万人に調整される予定)の規模再調整、さらに徴兵制を維持するかどうかなどが争点化する可能性もあると見通した。

 国防部は7月27日、大統領府に国防改革2.0の基本方向を報告したが、その際、軍構造改革に関する内容は盛り込まれなかった。変化した安保環境の中で「プランB」のような代替案づくりの必要性を感じたからだ。韓国国防研究院は今年10月から「未来国防ビジョン概念研究タスクフォース」を設置し、プランBの細部計画を進めている。研究結果は20日を皮切りに、来年3月(第2次)と6月(第3次)に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に報告される。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/873711.html

地球上で2番目に強い韓国海兵隊…日中が追い上げてくる

「モンテズマの間からトリポリの海岸まで…」。米国海兵隊の公式軍歌「海兵隊賛歌」はこのように始める。歌詞の冒頭に出てくるリビアトリポリは、米海兵隊が草創期の1805年に海外で初めて勝利したダーネの戦いを意味する。

19世紀初め、トリポリをはじめとする北アフリカイスラム海賊に米国はまさに「カモ」だった。今では想像もできないが、米国は当時はまだ弱小国だった。1783年に英国から独立した米国はこれという軍隊を保有していなかったからだ。

このためイスラムの海賊は星条旗を掲げた商船を狙った。米国はイスラム海賊に米国商船を略奪しないでほしいとして毎年、相当な貢物を献上していた。

トーマス・ジェファーソンが1801年に大統領に就任すると、トリポリの海賊はより多くの貢物を要求した。ジェファーソンは「貢げばさらに頻繁な襲撃につながる」と述べた。そして苦労しながら北アフリカ遠征隊を構成して戦争をした。弱小国の米国が決起したのだ。

海兵隊トリポリに上陸した後、当時のイスラム海賊に反感を抱いた現地住民を集めて蜂起を起こした。ダーネの戦いはこうして始まった。米海兵隊は少ない兵力でも銃弾が飛び交う中で突撃を敢行し、イスラム海賊の砲台を掌握した。

ダーネの戦いは、海兵隊がどんな軍隊であり、どんな作戦に投入するかをよく見せている事例だ。「普段は少数精鋭(A Few Good Men)の兵力を強化する。必要なら海外に送って国の利益を守る。この部隊で多数の敵と戦って勝つ」というのが海兵隊運用の公式だ。

その後、米海兵隊は地球のどこにでも出動した。世界各地の米国大使館も米海兵隊が守る。米大統領が乗るヘリコプターは「海兵1号機(Marine One)」だ。

世界およそ50カ国の海兵隊のうち最強の米海兵隊が認めている海兵隊がある。大韓民国海兵隊だ。両国の海兵隊の深い関係は「DNAを共有する兄弟関係」とも呼ばれる。

兵力2万8500人の韓国海兵隊は地球上で米海兵隊(17万人)に次ぐと評価される。北東アジアには比較する相手がいない。いや、「いなかった」が正しい表現だ。日本と中国が海兵隊を育成している最近の状況を考慮すればだ。いま韓日中の「海兵隊三国志」が始まっている。

◆戦車と砲を減らしながらも海兵隊を創設した日本
日本の平和憲法は攻撃用武器と先制攻撃概念の戦闘部隊を禁止している。その日本で海兵隊憲法違反だ。このため日本は便法を使った。今年3月、陸上自衛隊のもとに水陸機動団を創設したのだ。しかし他国は水陸機動団を日本の海兵隊と呼ぶ。
水陸機動団の誕生の背景には、東シナ海尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる中国との領有権紛争がある。2012年に尖閣諸島をめぐる紛争が激しくなり、日本は「島奪還」能力を持つ部隊が必要だと判断した。
在日韓国大使館の武官を務めたクォン・テファン国防大教授は「岩田清文元陸上幕僚長(韓国の陸軍参謀総長に該当、2013-2016年)が戦車と砲の数を減らしてまで作ったのが水陸機動団」とし「それだけ貴重な戦力であり戦略的な含意が大きい部隊」と説明した。水陸機動団は3個水陸機動(大隊級)、1個輸送大隊、1個砲兵大隊、1個支援部隊で構成された。2020年まで旅団級3200人に兵力が増える。
水陸機動団の主要装備としてAAV7水陸両用車52台を確保する。この水陸両用車は韓国海兵隊もKAAV7という名称で200台ほど保有している。また中型ヘリコプターCH-47J(3機)とティルトローター輸送機MV-22オスプレイ(16機)を運用する計画だ。特にMV-22が注目される。
ティルトローターはヘリコプターと固定翼機(一般航空機)の長所を生かした航空機。ヘリコプターのように狭い空間で離着陸でき、固定翼機のような速度で遠い距離を飛行できる。MV-22は24人乗りで時速565キロ(最高速度)で1627キロ(最大飛行距離)まで飛行できる。
水陸機動団が16機のMV-22を保有する2020年には、最大408人の兵力を北東アジアのどこにでも投入できる。それも短い時間にだ。この兵力は韓国や中国への本土侵攻とは距離がある。しかし独島(ドクト、日本名・竹島)や尖閣諸島(中国名・釣魚島)のような島の上では相当な規模だ。
日本は水陸機動団が「専守防衛原則を越えない」と海外に強調した。この部隊が「離島対処防衛専用部隊」いう点も強調した。しかし水陸機動団が尖閣諸島を越えて深刻な脅威となる可能性が高い。水陸機動団は有事の際、早期に大規模な上陸作戦が可能な部隊に拡張する潜在力がある。水陸機動団の前身の陸上自衛隊西部方面隊普通科連隊時代だった2013年5月22日、陸・海・空自衛隊と合同訓練を実施し、尖閣諸島を想定した大規模な公開訓練をした。米海兵隊の協力なく単独で上陸作戦を遂行する能力をすでに確保したのだ。静岡県御殿場市東富士演習場で8月26日に行われた自衛隊火力訓練に水陸機動団と水陸両用車が参加した。

クォン・テファン教授は「『自由民主主義と市場経済を採択した国の間では戦争は起こらない』というが、最近は韓日関係が悪化し、日本は潜在的脅威から現実的脅威に浮上する可能性がある」と指摘した。クォン教授は「日本はすでに軍事大国」とし「平和憲法を改正して防衛費(国防予算)が国内総生産(GDP)1%の壁を超えれば、好戦的で膨張志向的な対外政策を前に出す可能性がある」と懸念した。その時には水陸機動団が先鋒に立つのは明らかだ。

◆ベールに包まれた中国海兵隊
中国人民解放軍海兵隊は海軍陸戦隊だ。ところが海軍陸戦隊に関する情報は多くない。現在、海軍陸戦隊兵力が何人かも秘密だ。部隊の位置と任務、装備などほとんどが外部に知られていない。推定だけが可能だ。
中国軍事専門家のキム・テホ翰林国際学大学院教授は「海軍陸戦隊が10万人に増えるという報道があったが、現在の兵力規模は3、4個旅団3万-4万人と推定される」と述べた。各旅団には1個機甲連隊、3個機械化歩兵大隊、1個歩兵大隊、1個特殊作戦大隊、砲兵大隊、技術化学大隊、通信・電子戦大隊があるという。
海軍陸戦隊は中国が自国で開発した水陸両用歩兵戦闘車ZBD-05を持つ。韓国と日本の水陸両用車KAAV7(AAV7)は米国製だ。この水陸両用車は防御力を犠牲にして最高速力を高めた。ウォータージェットを利用し、海を最高時速28キロで滑るように進む。KAAV7(AAV7)の海上最高速力は時速13キロ。30ミリ機関砲、12.7ミリ機関銃に対戦車ミサイルまで搭載している。
また、人民解放軍海軍はヘリコプターの離着陸が可能な2万5000トン級071型(崑崙山級)強襲揚陸艦5隻を実戦配備し、1隻を建造中だと、米軍情報当局は把握している。米海兵隊をモデルに超水平線上陸作戦能力を導入しようとしているのだ。超水平線上陸作戦とは、敵の観測と射程距離から抜け、水平線の向こうの遠距離海上から海上と空中を通じて海兵隊を上陸させる作戦をいう。
海軍陸戦隊は台湾侵攻の核心戦力という。しかしキム・テホ教授は「現在の水準では不可能」と評価した。その代わり南シナ海スプラトリー諸島(中国名・南沙諸島)、パラセル諸島西沙諸島)を守ったり、東シナ海尖閣諸島を攻撃する役割が与えられたと推定される。
しかし海軍陸戦隊の最終的な目標は米海兵隊のように大規模な海外遠征部隊に成長することだ。中国は米国とともに世界の覇権を争うG2と考える。キム・テホ教授は「中国がいつまでにこの目標を達成しようとしているのかは分からない」としながらも「現在、海軍陸戦隊の増強ペースが速いのは事実」と述べた。
中国中心の陸・海上経済圏を構築するという「一帯一路」上にあるアフリカのジブチパキスタンのグワダル港に中国人民解放軍海外軍事基地が建設された。この基地を防御する任務を海軍陸戦隊が担っている。
中国人民解放軍は新たに海軍陸戦隊部隊を構成するのではなく、従来の陸軍部隊を海軍陸戦隊部隊に変えている。北京と東北3省、山東半島一帯を管轄する北部戦区の第77旅団が代表的だ。この旅団はもともと陸軍の自動車化歩兵旅団だった。昨年初め、この部隊は海軍陸戦隊に編入されたという。

第77旅団は韓半島朝鮮半島)から近い山東半島に駐留している。このため第77旅団は有事の際、最初に韓半島に投入できる中国人民解放軍部隊に挙げられる。
海軍陸戦隊は昨年12月、韓半島有事を仮定した大規模な上陸訓練を実施した。中国軍網は海軍陸戦隊が山東半島の数カ所の港で海上運送と戦略物資積載上陸訓練をしたと報じた。当時の訓練に第77旅団が参加したとみられる。中国人民解放軍海軍陸戦隊の射程圏に南シナ海東シナ海だけでなく韓半島が入っているということだ。

◆小さくて強い軍隊を目指す韓国海兵隊
海兵隊は味方の基盤がない敵の海岸に砲火の中でも上陸する部隊だ。基本的に不利な戦況を仮定して作戦を立てる。リスクを負うのは基本だ。このため海兵隊ならではの独特の組織と文化が築かれた。海兵隊海兵隊らしく成長させる環境を整えるのが国防部と合同参謀本部の役割だ。
しかし韓国海兵隊はこれまで向こう見ずに戦わなければならなかった。国防部国防改革室長を務めたホン・キュドク淑明女子大政治外交学科教授は「海兵隊が軍の内部でも少数であるため声も出せず、国防部や合同参謀本部が考える海兵に対する戦略的な価値も高くなかった」と説明した。しかしホン教授は「海兵隊は必要な時に最も柔軟に投入できる部隊であり、重要性はますます高まっている」と話した。
韓国が日本と中国を相手に全面戦争をする状況は現実的に考えにくい。しかし独島や離於島(イオド)など海上領有権紛争のため制限的な衝突は起こり得る。イ・ピョギュ檀国大海兵隊軍事学科教授は「米海兵隊の研究によると、海兵隊の攻撃は海兵隊が最もよく防御できるという」とし「上陸作戦ができる海兵隊の存在は周辺国に負担となり、武力の使用を避けるようになる」と述べた。
海兵隊は有事の際、北朝鮮に深く入り込んでいち早く大量破壊兵器(WMD)と関連施設に対応する「立体機動作戦」の核心戦力だ。また、韓国が国際社会の人道的支援と災害救助の責任を果たす場合、海兵隊を派遣することがある。海兵隊は米海兵隊が主管するカーンクエスト(Khaan Quest)とコブラゴールド(Cobra Golde)国際訓練に参加し、国際人道的支援と災害救助能力を高めた。

韓国海兵隊は現在、2個師団と2個旅団を持つ。ところが2個旅団のうち1個旅団(済州を守る第9旅団)は浦項(ポハン)の第1師団の1個大隊兵力を順に受ける部隊だ。全体的に陸軍の1個軍団規模にもならない。少子化で入隊する20代の成人男性が減る状況の中、海兵隊だけは定員を増やしてほしいと要求するのは容易でない状況だ。
難しい条件だが、海兵隊を充実させることは可能だ。海兵隊が以前から推進している空地機動部隊構造への改編だ。空地機動部隊とは、独立戦場で一定期間にわたり任務を遂行できるよう指揮部隊と地上・航空・軍需部隊を統合して編成した部隊をいう。
海兵隊は現在、旅団級空地機動型部隊を師団級に育てている。従来の連帯に情報中隊、装輪装甲車中隊、上陸型120ミリ迫撃砲中隊を加えて旅団にしている。また、2021年を目標に海兵隊航空団の創設を進めている。今年から上陸機動ヘリコプター約30機、攻撃ヘリコプター約20機を導入する。今年7月に上陸機動ヘリコプター「スリオン」1機が墜落し、人命事故が発生した。しかし今まで多くの挑戦を克服したように海兵隊は航空団の創設を実現させるだろう。
また海兵隊は装輪装甲車を導入して新型水陸両用車を開発している。新型水陸両用車は現在のKAAV7より速度は速く、火力はさらに強く設計される。そして海兵隊の上陸作戦ドローンボット戦闘システムと海兵隊ウォリアープラットホームを備える。
この程度なら、まだ不足するものの韓国海兵隊が北東アジア海兵隊三国志で有利な地位を確保できる。陸・海・空軍の隙間でも計画した通りに予算が確保されるという条件を満たせばだ。

韓経:【コラム】世界と断絶する韓国経済…「ベネズエラの前轍」踏むか

少し前に駐韓欧州商工会議所(ECCK)のクリストフ・ハイダー事務総長が、「韓国経済がガラパゴスの罠に陥っている」と発言した。ガラパゴスの罠とは中南米エクアドル領のガラパゴス諸島アメリカ大陸から1000キロメートル以上離れていることに例え世界の流れ(グローバルスタンダード)と隔離される現象をいう。

世界の流れとかけ離れた事例は意外に多い。政府の役割が世界は「小さな政府」を指向しているが、韓国は来年のスーパー予算が象徴するようにますます大きくなっている。マクロ経済目標も「成長」に対し「所得主導成長(成長と分配の境界が曖昧)」、製造業政策は「リショアリング」に対し「オフショアリング」、企業政策は「友好的」に対し「非友好的」だ。

規制政策は「フリーゾーン」に対し「ユニークゾーン」、商法改正は「経営権保護」に対し「経営権露出」、税制政策は「税金減免」に対し「税金引き上げ」、労働政策は「労使均等」に対し「労組優待」と対照的だ。明示的なことだけでなく一部政策決定権者と執行権者の意識と価値がこの罠に陥っているのはもっと大きな問題だ。

世界がひとつである時代に特定の国が成長するためには世界経済を主導できなければ最低限世界の流れには参加しなければならない。21年前、国の外では危機が迫っていると警告しているのに当事国である韓国の経済閣僚は「ファンダメンタルズは大丈夫だ」というかけ離れた診断で通貨危機を招いた痛恨の経験がある。

ガラパゴスの罠に陥れば最も懸念されるのは韓国経済に対する海外の見方が悪化する点だ。国の格付けが停滞してすでに2年を超えた。グローバルベンチマーク指数であるMSCI指数では先進国予備リストから脱落し4年が過ぎたが再進入できずにいる。

外国企業と資金も入ってこなくなったり抜け出たりする。駐韓外国企業団体は各種規制強化などで経営環境が急激に悪化していると連日批判する中で実際に撤退する外国企業が増加している。今年に入り韓国の証券市場で外国人資金は売り傾向が続く中で9月中旬以降には売り越し規模が5兆ウォンに達している。

韓国企業と資金そして人材も韓国を離れている。今年に入り国籍放棄者が3万人を超える。過去最大規模だ。企業も国内より海外に投資するのを好み実行に移す動きが明確だ。金融会社も韓国の国民を対象に資金を集めグローバル投資に熱を上げている。「3大空洞化現象」だ。

特定国が成長するためにはひとまず人材と資金、そして企業が集まらなければなければならない。ドーナツのように核心中心部が空いていれば内外の変数に脆弱で景気が簡単に不安になる「天水田経済」となる。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とともに世界2大格付け会社であるムーディーズ・インベスターズサービスは来年の韓国経済成長見通しを2.3%まで引き下げている。

簡単な生産関数(Y=f(K、L、A)、K=資本、L=労働、f( )は関数形態)を通じガラパゴスの罠の恐ろしい点をチェックしてみよう。生産関数の適用対象が世界へ拡大した場合、外国人と韓国人、外国企業と韓国企業、外国資本と韓国資本がしっかり補完されてこそ成長できる。米ペンシルベニア大学ウォートン校のジェレミー・シーゲル教授がグローバル時代に成長戦略として提示した「グローバル解決法」だ。

特定国がガラパゴスの罠に陥る最大の理由は、政策決定権者と執行者のグローバルマインドが不足しているためだ。国政運営の優先順位も「対外」より「対内」、経済閣僚が「柔軟な思考」より「硬直した思考」を持っている時も現れる。最も警戒すべきことは自身の理念と主張の枠組みの中に閉じ込められている場合だ。

洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相をトップにした2期経済チームがスタートする。急務は韓国経済がこれ以上ガラパゴスの罠に陥らないよう世界の流れに参加しなければならない。1期経済チームと同じように「時間さえ過ぎればいいだろう」と言いながら経済政策と運用に変化を与えなければ「ゆでガエル症候群」のようにある日突然死ぬ。その時はベネズエラ事態だ。

分野別で助言するならば、▽経済活力課題として、心理安定、市場と現場重視、親企業、規制緩和、減税推進▽潜在成長課題として、構造改革、製造業リショアリングと第4次産業育成▽民生経済課題として国民生活経済懸案優先解決▽対外政策課題として対中傾斜緩和と常時国家IR活動展開▽南北協力課題として他の国政課題(特に景気)との均衡の中での推進▽政策運営課題として所得主導成長、週52時間労働制、最低賃金引き上げなどに柔軟性を与えなければならない。

ハン・サンチュン/客員論説委員

張夏準教授「韓国経済はいま国家非常事態だ」

「国家非常事態だと言わなければいけない」。張夏準(チャン・ハジュン)英ケンブリッジ大経済学科教授が規定した韓国経済の状況だ。張教授は先月29日(現地時間)、ケンブリッジ大でインタビューに応じ、「問題がどれほど深刻かを認めることが解決の第一歩」とし、このように述べた。

張教授は文在寅ムン・ジェイン)政権の経済政策について「所得主導成長と最低賃金引き上げは悪いわけではないが対症療法」とし「栄養剤を与えれば、続いて体質改善をしなければいけないが、そのような話はない」と指摘した。来年の最低賃金追加引き上げについては「自営業者の比率が6%の米国とは違い、韓国は25%にのぼり零細であるため、最低賃金引き上げを吸収する余力がない」とし「趣旨には賛成するが、現実を考慮せず、あまりにも急いだ」と述べた。

張教授は「韓国経済の問題は財閥があまりにも多くを握っているからでもなく、規制があまりにも多いからでもない」とし「20年間にわたる投資不足と新技術不足で主軸産業が崩壊したのが原因」と診断した。続いて「スウェーデンの事例などを見ると、陣営論理とグローバルスタンダードに拘束されず、自らの道を着実に進んだ国が成功する」とし「政府と財閥が大妥協をし、20-30年後に福祉国家を建設して安全網を確保するという目標で、韓国の現実に合うモデルを見いださなければいけない」と述べた。

--韓国経済が厳しいが、来年の見通しも良くない。
「最近に限られた問題ではなく、最低賃金のために生じたことでもない。20年間にわたり投資をせず、中国にすべてのみ込まれているからだ。蔚山(ウルサン)で見られるように重要な雇用が崩壊している。金大中(キム・デジュン)、李明博(イ・ミョンバク)、盧武鉉ノ・ムヒョン)、朴槿恵(パク・クネ)、文在寅政権すべてつながったのだ。通貨危機以降、多くの投資をしたように見えるが、設備投資は半減した。70-80年代の自動車、造船、半導体、そして90年代の携帯電話の後、韓国が新しく作ったものはない。中国より確実に先を進んでいるのは半導体だけだが、中国政府の集中政策でこれさえも近く追い越されるだろう」

--文在寅政権は所得主導成長、包容的成長を進めているが。
「分配を平等にし、所得水準が低い人たちも消費することになるため、短期的には生産にプラスになり、悪いことではないが、栄養剤注射を1本したにすぎない。体質改善の話はない。企業も規制緩和ばかり話すが、半導体と携帯電話で中国の追撃を受けるのは規制のためでない。左派は最低賃金に、右派は規制緩和に執着するが、ともに大げさに騒いでいるだけだ」

--代案は何か。
「国家非常事態という認識を持ってこそ解決策を見つけることができる。中国が急速に追い上げてくるため、企業が新技術を開発し、投資をしなければいけないが、なぜできないかを分析するなら企業政策の話が出るだろう。また、そのためには有能な若者が就職不安のために医大や法大、公務員試験に集中せず、工学部に進むようにすべきであり、これは福祉国家を建設し、社会の安全網をうまく構築しなければいけないという結論にいたるだろう」

--韓国が参考にするモデルとしてスウェーデンが取り上げられてきたが。
「成功した国は実用主義的だった。スウェーデンフィンランドが成長と分配をうまく両立させた事例だ。スウェーデンは所得分配が世界で最も平等だが、企業の集中度も最高レベルだ。バレンベリーグループは一族6代目で、スウェーデン国内総生産(GDP)の30%を占める。サムスンや現代車とは比較にならない。スウェーデン政界では企業が多く投資し、雇用を増やし、税金を多く出せばよく、多く持つことも問題でないとの意見が多い。左右陣営論理から崩さなければいけない。産業政策をするといえば韓国では過去に軍部政府がしたため右派の政策と見るが、英国では労働党政府がして左派の政策だ。福祉国家を作った人も保守政治の大家、ドイツのビスマルクだった。福祉といえば欧州では保守政治と見るが、韓国では進歩とみる」

--福祉を増やすばかりでは破綻するという見解も多い。
「80年代以降、新自由主義化の中でも福祉国家は増え続けた。高齢化のためだ。韓国は福祉支出がOECD経済協力開発機構)加盟国のうちメキシコについで最も少ない。21.5%が平均だが、韓国は10%を少し超えるほどだ。スウェーデンのような国では労働者が構造調整に命をかけて抵抗しない。失業時には以前の月給の65-75%を受け、2年間の教育を経て政府が新しい職場を斡旋するからだ。韓国は社会安全網がなく、職場で解雇されれば100から10に落ちるため抵抗する。スウェーデンも1920年代にはストライキ率が世界最高だった。1932年に社会党が執権した後、企業は福祉国家づくりを受け入れ、労働者はストライキを自制する妥協をした後、20年以上かけて完成させた。30年を眺めて過去に経済開発をしたように、韓国も30年後の福祉国家を目標にすればできないことはない」

--経済チームが交代したが、そのようなビジョンを推進する中心はやはり大統領だと考えられる。
「韓国の権力構造上、大統領が最も重要だ。今は労働者も高度な技術がなければ生き残ることができないため、革新は全国民が共にすることだ。サムスンギャラクシーが5ポンド安いと売れるのではないため、企業も賃金1000ウォンのところを980ウォンにしたところでうまくいく時代ではない。政府が初期に大幅投資し、企業が商用化しながら技術革新をする構造を作らなければいけない。米国が革新できるのは数人の天才がいるからではない。米国のように組織化がうまくいった国はない」

--韓国の次世代産業を挙げてほしい。
「政府の発表を見ると、10余りの新産業をするというが、これはしないというのと変わらない。本当にする考えなら、過去に重化学工業の5、6分野をしたように集中しなければいけない。韓国はGDP比の研究開発(R&D)投資が世界1、2位を競うが、効率性が落ちるため見直す必要がある。お金は多く使うが、出てくるものがない。全体の研究開発投資のうち政府の比率は4分の1だが、政府と企業が対話をしない」

--大企業の危機を懸念して海外投機資本を規制しようというが、可能だろうか。
「(政界が)サムスンと現代車の支配構造をどうしろというが、海外投機資本にのみ込まれれば企業は崩壊して新産業を育成する余力がなくなる。大企業が投機資本の影響で配当も増やし、自社株買いにお金を使う。そうでなければ株価が落ち、M&A(企業の合併・買収)攻撃を受ける可能性があるため、そこに閉じ込められてしまった。通貨危機以降、市場を開放したが、差別議決権制度などを導入することができる。株式1年保有時に1票、10年以上保有すれば20票という形で短期資本の投資を制約することができる。チリの預託金制度のように投資資本が30%を寄託した後、1年以内に出て行けば持って行けず、長く保有すればすべても払い戻す方法もある。米国と欧州が自由貿易協定(FTA)を名分に問題に取り上げる可能性があるが、グーグルとフェイスブックも差別議決権制度を使う。あなたたちもするのに我々はどうしてできないのかと言える。韓国の財閥が進化してきた複雑な歴史的要因があり、米国と英国で作られた経済学理論を教科書的に適用すれば葛藤を招くため、韓国に合うものを見つけなければいけない」

--親戚の張夏成(チャン・ハソン)前青瓦台(チョンワデ、大統領府)政策室長が退任した後、連絡はしたのか。
「年齢も私より10歳も上で忙しい方なので、政策室長から退いて電話をしていない。人々は同じ一家なのになぜ考えが違うかというが、それは連座制的な考えだ。社会を変えようという考えは同じだが、方法は私と違う。張夏成教授は株式市場を通じて財閥を統制しようということであり、私は政治的ディールをしてより良い方向に向かうように努力しなければいけないという立場だ」

【社説】「韓国経済は国家非常事態」…政府は重く受け止めるべき

張夏準(チャン・ハジュン)英ケンブリッジ大教授が韓国経済状況を「国家非常事態」と診断した。ロンドン特派員のインタビューで張教授は「所得主導成長と最低賃金引き上げは対症療法に終わった」とし「栄養剤を投与すれば次に体質改善をすべきだが、そのような話はない」と指摘した。韓国の経済成長潜在力は落ちているが、国家政策に未来が見えないということだ。張教授は張夏成(チャン・ハソン)前青瓦台(チョンワデ、大統領府)政策室長の親戚であり、韓国の代表的な進歩経済学者だ。この日のインタビューでも持続的な福祉拡大の必要性を力説する一方、保守陣営の規制緩和主張に批判的な立場を表した。張教授が一つ一つ指摘した韓国経済の問題点と解決方法は陣営の左右に関係なく重く受け止めなければいけない。

張教授は韓国経済の問題の原因を通貨危機以降に急減した投資とみている。1970、80年代の自動車・造船・半導体、90年代の携帯電話以降、韓国はこれといった製品を出していない。その間、中国が急速に追い上げてきた。投資が減り、企業に活力がない状況で、雇用は増えるはずがない。張教授は「新技術を開発して投資すべき企業がなぜ停滞するのか、原因から分析する必要がある」と述べた。これという産業政策がない政府の短見、経営権防御に追われる大企業、十分でない社会的安全網の中で激しくなった労働運動などが複合的に作用したということだ。

張教授は差別議決権の導入などで海外投機資本から大企業の経営権防御を支援し、その代わり大企業に投資および雇用の拡大を要求するという「大妥協」を解決法として提示した。しかし現実は逆だ。政府はむしろ大株主の議決権制限と持ち株会社要件を強化する商法と公正取引法の改編を推進している。文在寅ムン・ジェイン)政権第2期経済チームの洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相が近く就任する。「政府と企業が対話していない」という張教授の懸念の声に耳を傾ける必要がある。

韓国行政安全部長官、「強制徴用者の遺骨奉還、日本に振り回されることはないだろう」

金富謙(キム・ブギョム)韓国行政安全部長官が第2次大戦当時、強制徴用されて死亡した韓国人の遺骨を送還することに責任を全うするという意向を明らかにした。

9日、金富謙長官は自身のSNSに「第2次大戦当時、太平洋の『タラワ島』で亡くなった韓国人強制徴用者の遺骨が日本へ渡って消失する危機に処したというニュースを初めて見た時、何かが込みあがった」と話した。彼は「第2次大戦当時、太平洋の島々では血戦が起きないところがなかった。その島ごとに連れ去られた韓国人が陣地とバンカーの構築に投入された」として「他国の戦争に動員されて労働力を捧げ、虐待され、飢え、命まで奪われた方々」と明らかにした。

また「現在、遺体発掘作業は米国が行っている。アジア系遺体が発掘されれば、韓国にも知らせる予定」として「外交部とともに米国政府と必ず奉還方法を探すつもり」と明らかにした。また「過去、私たちが力がなくて連れ去られたが、今になって遺骨奉還作業まで日本に振り回されることは断じてないだろう」という意向を明らかにした。

これに先立ち、韓国公営放送KBSは南太平洋のタラワ島で韓国人強制徴用者のキムさんのものと推定される遺品が発掘されたと報じた。だが、日本NGO団体がタラワ島で遺骨を収拾し次第に火葬するが、この中に韓国人強制徴用者などの遺骨が混ざっている可能性が大きいと報じた。

20年前はJ-POPのパクリだったK-POP、今や対日輸出は輸入の100倍に

 日の丸に「蛮人(外国人)を追い出そう」という意味の「攘夷」(じょうい)の2文字が書かれた「のぼり」が掲げられた。防弾少年団BTS)のコンサートが行われた13日、東京ドーム前でデモをした「日本暁乃会」のメンバーたちが掲げたスローガンだ。「攘夷」という単語は韓国人にも見覚えがある言葉だ。1894年に東学農民軍が日本の侵略に抵抗した時(東学党の乱)に掲げたスローガンが「斥倭攘夷」(日本を排斥して蛮人を追い出そう)だった。

 今年は日本の大衆文化開放20周年に当たる年だ。1998年10月20日、韓国政府は日本の映画・漫画を開放すると電撃的な発表をした。そして、それから2006年まで番組・CD・ゲーム・アニメを全面開放した。「倭色(日本)文化は韓国の文化市場を急速にむしばむだろう」との懸念が強かった。しかし、20年が過ぎた今、日本側から「攘夷」というスローガンが出るほど劇的な逆転現象が起こっている。大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「1960年代に米国でビートルズが絶大な人気を呼んだ時に『ブリティッシュ・インヴェイジョン』(英国の侵略)と言われたように、「21世紀のビートルズ」と呼ばれるBTSを中心に韓流旋風が強まり、日本国内の危機意識が高まっているもの」と分析した。

■大衆文化の韓国流入恐れずグローバル戦略で疾走

 「コンテンツの逆転」は音楽市場で最も際立っている。韓国音楽の対日輸出額は、最新の統計情報である2016年に2億7729万ドル(約312億8400万円)で、日本音楽の輸入額291万ドル(約3億2800万円)の約100倍に達する。ゲーム分野も大きく上回った。輸出額は6億ドル(約676億9200万円)で、輸入額5160万ドル(約58億2200万円)の10倍を上回る。「風の王国」=ネクソン=から「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」(プレイヤーアンノウンズ・バトルグラウンズ)=PUBG Corporation=まで韓国のオンラインゲームが日本のネットカフェを掌握した。放送界も同様だ。輸出額が輸入額の約12倍に達する。

 今年11月にデビューした韓国初の韓日合作女性アイドルグループ「IZ*ONE」(アイズワン)は「逆転」の象徴的なケースだ。メンバー12人のうち3人はAKB48など日本の人気女性アイドルグループ出身。音楽チャンネルMnetのオーディション番組『PRODUCE 48』で韓国の練習生たちと、これまでの実績もかなぐり捨てて競い合い、デビューした。韓国の振付師にダンスの実力を指摘されるなど、過酷なレッスンを受けた。キム・ヨンボムCJ ENMチーフプロデューサーは「日本のアイドル育成システムをモデルにして出発した時のことを考えると、あり得ないことが起こったと言える」と言った。

 専門家は「開放初期から大規模市場である日本をターゲットに積極的に対応したのが功を奏した」と言う。日本の音楽産業規模は57億3100万ドル(約6465億7100万円)で、米国の195億8800万ドル(約2兆2100億円)に次いで世界第2位だ。これは韓国の9億4500万ドル(約1066億1500万円)に比べ6倍大きい。大衆音楽評論家のキム・ジャッカ氏は「日本の女性アイドルグループは『育てて成長させる国民の妹』というイメージで自給自足の収益に力を入れてきたが、韓国は早くからグローバル市場に目を向けてきた。キレのいいフォーメーションダンスと語学力の高さで競争力をつけた」と話す。

 ユーチューブやオンライン中心へと変わった音楽の消費方式も大きな役割を果たした。大手芸能事務所・SMエンターテインメントの関係者は「日本はもちろん、全世界に向けてすぐに新曲の音源を同時リリースできるようになったことで活動の制約がなくなり、成果も上がるようになった」と話す。今や日本の芸能事務所やテレビ局の宣伝・広報を頼りにしなくても、日本のファンたちが防弾少年団Wanna One・TWICEなどK-POPアイドルの新曲プロモーションビデオ映像に歌詞を翻訳した字幕を付けてソーシャル・メディアで拡散させる。

 「Tシャツ騒動」で浮上した嫌韓流ムードの中でも、防弾少年団の東京ドーム公演に10万人の観客が集まったのは「コンテンツの力」のおかげだ。米ジョージ・メイソン大学のイ・ギュタク教授は「グローバルな音楽トレンドをいち早く吸収し、パフォーマンスの実力まで持つアーティスト級のアイドルを誕生させるコンテンツという面では韓国が圧倒している」と評した。

 韓日間の政治対立が大衆文化交流に影響を与えているものの、専門家たちは「韓日大衆文化は互いに『ウィンウィン』(win・win=双方に利益がある)関係が成り立つ最適のパートナー」と口をそろえる。文化評論家のハ・ジェグン氏は「K-POP全体の収益の半分以上を占める日本は、依然として開拓の大きなチャンスがある市場だ」と言った。

 日本としても、韓国は世界市場開拓のための足がかりだ。日本の大衆文化評論家・古家正亨氏は「政治には政治の使命がある。文化はこれとは別に、市民交流次元のコミュニケーションを目指すべきだ」と語った。

ユン・スジョン記者 , 東京=チェ・ウンギョン特派員
朝鮮日報朝鮮日報日本語版

【社説】南北鉄道連結に夢中な韓国鉄道公社が招いた大事故

 198人の乗客を乗せ江陵からソウルに向かっていた韓国高速鉄道KTXが脱線し、16人が負傷する事故が発生した。機関車と客室を兼用する先頭車両がT字型に折れるなど大破し、残りの8両も全て線路から脱線した。事故直前には乗客の体が左右に大きく揺れるほどの振動が発生し、時速100キロで走行していた列車は45度傾いた状態で20秒ほど空走してから停止した。子供たちの泣き声や悲鳴などで客室内部は大混乱と恐怖に襲われたという。2004年にKTXが開通して以来、列車が脱線するほどの大事故は11年の光明駅事故に続き今回が2回目だ。

 幸い死者はでなかったが、それは単に運が良かっただけだ。事故は江陵駅を出発してからわずか5分後、上り坂区間を時速100キロで走行中に発生した。これがもし時速200キロ以上だとか、あるいは橋の上などで脱線事故が起こっていれば、想像もできないほど悲惨な結果を招いていただろう。

 さらに大きな問題は、最近になって相次ぐ鉄道事故の影響で注意喚起がなされていたにもかかわらず、今回の大事故が起こってしまった点だ。先月19日にはソウル駅に入ろうとしたKTXが補修工事作業中のフォークレーン(パワーショベルなどの重機)と衝突する事故が発生し、その翌日には五松駅の停電で京釜線KTXが10時間以上立ち往生した。さらに盆唐線での列車立ち往生、大邱駅での故障事故など、韓国鉄道公社KORAIL)ではここ3週間でほぼ1日置きに10件の事故が発生している。韓国政府とKORAILは事故対策などに真剣に取り組んでいるのだろうか。

 今回も韓国政府関係者はこれまでもそうだったように、評論家あるいは人ごとのようなコメントしか語らない。事故から2日後に現場を視察した国土交通部(省に相当)の金賢美(キム・ヒョンミ)長官も「このような現状はこれ以上座視できない。今回の事故について必ず責任を追及することを求める」と完全に人ごとだ。長官は「南北の鉄道を連結する大きな夢を抱いている」と語る一方で、鉄道事故が相次ぐことについては「心苦しい」としか話さなかった。

 かつて運動圏(左翼学生運動)の活動家だったKORAILの呉泳食(オ・ヨンシク)社長も就任以来、南北鉄道連結や非正規職乗務員の正社員化、鉄道における競争を阻害するSRT再統合など、鉄道の安全よりも政府寄り、労働組合寄りの対応ばかり続けてきた。呉社長だけではない。現政権で任命されたKORAILの非常任理事4人のうち2人は全国民主労働組合総連盟(民主労総)出身で、1人は昨年の大統領選挙で文在寅ムン・ジェイン)陣営の不動産政策を担当した人物だ。さらにKORAILの駅などでコンビニやコーヒーショップなどを運営するKORAIL流通や、駅の施設管理・発券などの業務を担当するKORAILネットワークスなど、KORAILの子会社にも文大統領を支持するネットカフェの管理人や外国語スクールの元経営者など、鉄道とは関係のない分野出身の人物が数多くいる。1日10万人が利用するKTXの安全対策を徹底するには、これらの非常識的なことから正していかねばならない。

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

韓国の来年度予算、未来への投資は削減・歴史関連は増額

 韓国の来年度予算から原子力発電所の安全対策や韓国軍装備のハイテク化など「将来に向けた投資」が大幅に削減されたが、一方で東学革命や済州4・3事件など歴史関連の予算は一気に増えた。

 まずエネルギー特別会計から支出される予定だった「世界市場先導原子力固有ブランド開発」と呼ばれる事業費が今年の52億ウォン(約5億2000万円)から10億ウォン(約1億円)削減された。韓国原子力安全技術院の「環境放射能監視および非常対策支援」「放射線安全規制管理」など22億ウォン(約2億2000万円)の研究開発事業予算は全て削減されたが、人件費は55億ウォン(約5億5000万円)増えた。研究開発費を削減して人件費の一部に充当したことになる。韓国原子力統制技術院の「原子力関連施設へのサイバー攻撃対策」「生活周辺放射線安全管理」の予算も6億ウォン(約6000万円)削減された。

 ハイテク兵器開発のための防衛事業費も削減された。「韓国型パトリオットミサイル」とも呼ばれるチョルメⅡ(天宮)の予算は500億ウォン(約50億円)、中高度偵察用無人航空機(MUAV)開発予算は79億ウォン(約7億9000万円)削減された。

 また上陸機動ヘリ予算は245億ウォン(約24億5000万円)、戦術情報通信システム(TICN)関連予算は180億ウォン(約18億円)がそれぞれ削減された。その一方で9・19南北軍事合意実行のための予算として96億ウォン(約9億6000万円)が新たに策定された。非武装地帯(DMZ)内の監視所(GP)撤収に77億ウォン(約7億7000万円)、西北島しょ砲兵部隊循環訓練のための19億ウォン(約1億9000万円)などだ。また空軍のKF16戦闘機改良に794億ウォン(約79億円)が追加され、韓国型戦闘機ボラメ(若タカ)開発予算も828億ウォン(約83億円)に増えた。その結果、国防予算全体は8.2%の増額となった。

 「歴史関連予算」も増えた。全羅北道の東学農民革命記念公園の建設と記念式典のための予算は50億ウォン(約5億円)増額された。さらに「済州4・3事件を全国民に正しく知らせるための予算」が1億ウォン(約1000万円)、遺跡保存に5億ウォン(約5000万円)、「釜馬民主抗争名誉回復支援事業」の5億ウォンなども増額された。またいわゆる「加湿器殺菌剤事件」と「4・16セウォル号沈没」の特別調査委員会人件費として62億ウォン(約6億2000万円)、これらの真相解明のための費用60億ウォン(約6億円)など総額で207億ウォン(約21億円)が新たに追加された。

宣政敏(ソン・ジョンミン)記者 , パク・サンギ記者
朝鮮日報朝鮮日報日本語版