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【#中央日報】【時視各角】トランプ大統領の「瀬戸際戦術」

非核化交渉をやめる可能性があるという北朝鮮側の発表は本心だろうか、それとも脅しだろうか。過程を見ると「瀬戸際戦術」を念頭に置いた、間違いなく「ブラッフィング(誇張)」だ。韓国では報道されていないが、今回の発表はハノイ首脳会談の結果を伝えてほしいというルーマニア大使館の要請に崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が応じた構図になっている。ここに各国大使と外国特派員が招請されたが、統制は厳しかった。大使だけが質問を許された。交渉中断カードは自ら明らかにしたのではないという形の中で望む話ばかりが出てくるように作られたイベントだったということだ。北朝鮮メディアの異例の反応もブラッフィング説を後押しした。普段なら発表後に直ちに競って宣伝したはずだが、今回は一斉に沈黙した。北朝鮮が協議に入っても内部的に体面を保てるようにしたのだ。

このように米朝間の駆け引きが激しいが、韓国政府は対話の火種は残っていると主張する。双方に交渉の意志があるという論理だ。外見上そうかもしれないが、冷え込んだ雰囲気で平和的な非核化はよりいっそう難しくなった。まず中身のある交渉が全くなかったという点が大きな問題だ。ビーガン北朝鮮担当特別代表は11日、基本概念にさえも合意しない現状況を嘆いた。ビーガン特別代表は「北朝鮮寧辺(ヨンビョン)核施設を廃棄するというが、適用の対象が何かも決まっていなかった」と述べた。寧辺にはプルトニウム生産およびウラン濃縮施設をはじめとする390余りの建物がある。したがってどこまでを寧辺と見るのかを決めずに交渉がうまくいくはずがない。

さらに米国側の態度も強硬になっている。北朝鮮側の要求である段階的非核化に前向きだったビーガン特別代表までが変わった。ビーガン特別代表は11日、「完全な非核化が実現してこそ制裁を解除できるという共感が米政府内に形成された」と明らかにした。「先に非核化、後に制裁解除」という強硬モードに転じたのだ。

さらに重要なのは非核化期間までが登場したことだ。先日までトランプ大統領北朝鮮非核化を急がないと話していた。しかし数日前、ホワイトハウス関係者は「今回のトランプ大統領の任期中に非核化を実現させる」と述べた。トランプ大統領の任期が終わる2021年初めが期限ということだ。

このように米国の圧力がますます強まるため、北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)国務委員長は瀬戸際戦術の誘惑に駆られる可能性が高い。しかしこれが通用するには2つの条件が満たされなければいけない。一つは、北朝鮮は核戦争も辞さないという認識を相手が持たなければいけない。しかし金正恩委員長はもう北朝鮮の壊滅も辞さない狂人のようには見えない。もう一つは、戦争勃発時に双方ともに全滅することが確実であってこそ瀬戸際戦術が受け入れられる。そうでない場合、強い方が武力衝突を避けないといえばどうすることもできない。冷戦当時に米ソが核兵器を数千発ずつ保有したのもそのためだった。北朝鮮に数十発の核爆弾があるとしても米国と正面からぶつかるのは自殺行為と変わらない。

このような理由で瀬戸際戦術をうまく使ったのは金正恩委員長ではなくトランプ大統領だった。昨年トランプ大統領シンガポール首脳会談とポンペオ米国務長官北朝鮮訪問を電撃的に取りやめた。すると融和的な態度を見せたのは北朝鮮だった。このような前例を考えると、今後、瀬戸際戦術をうまく使うのはトランプ大統領である可能性が高い。

したがって韓国政府は下手に割り込んで状況をつぶしてはいけない。トランプ大統領の勢いに押された金正恩委員長が大幅譲歩を決心しようとするところに、開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光の再開を云々すれば金委員長の心が揺れるかもしれない。北核解決の促進者になれないとしても妨害者になってはいけない。

ナム・ジョンホ論説委員