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【#ハンギョレ】「建設が国力」…北朝鮮スカイラインを変えた金正恩の“都市愛”

[私たちが知らなかった北朝鮮]10. 都市建設
 2015年2月15日、労働新聞は金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の現地指導写真を数枚掲載した。ドローンで撮影した金委員長の専用機「大鷹1号」が上空を飛行する写真、未来科学者通りの建設現場を空中から見下ろす俯瞰写真、建設現場を窓外に見下ろす金委員長の写真が掲載された。北朝鮮現地指導について史上初の“飛行現地指導”場面が登場したのだ。

 過去の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の現地指導写真が主に指導者を中心にした節制されたイメージだとすれば、金正恩委員長は多様なアングルを活用し、建設現場と都市を立体的に見せることに努めている。上から見下ろす指導者、建設現場と都市をパノラマ式で撮ったり、魚眼レンズでフレームいっぱいに満たして見せる方式は、その後金正恩委員長の建設現場訪問写真の大部分で見られるようになった。ここには都市の景観を見せる統治者の観点が表現されている。

■文明化、都市建設、移動性

 金委員長の“都市愛”は格別だ。執権以後、金委員長の対内統治コードは「文明化」 「都市建設」 「移動性」に要約できる。2012年に初めて登場した「社会主義文明化」は、金正恩政権の「建設政治」を象徴するキーワードだ。建設こそ「国力と文明の高さを直観的に見せる尺度」(2016年新年の辞)だ。北朝鮮金正恩時代を「建設の大繁栄期、新たな文明開化期」と規定した。社会主義文明化談論と建設政治は、市場化を促進し都市の移動性をいっそう新しい様相に変化させた。市場化は、都市の内外を連結する移動性-人間・商品・貨幣・情報・技術のネットワークと流れ-の爆発的増加を持たらした。都市は一つの市場システムに進化した。金委員長の建設政治、都市愛は、市場化を背景にする。

■都市建設の政治的メッセージ

 執権以後に現れた金委員長の建設現場現地指導写真は、都市秩序を創造する指導者のイメージの構築過程でもある。執権初期には閉鎖的でみすぼらしい背景構図に置かれていた彼は、次第に雄壮で開放された建物が作り出すスカイラインの中の中心人物として描写されるようになる。金委員長は、都市を自身の地位と権威を見せる視覚的スペクタクルとして活用している。

 北朝鮮において都市建設の企画は政治的メッセージを含んでいる。平壌市の大規模住居建設は、金日成(キム・イルソン)生誕日(60,70,80回)および、党創建整周年(10年周期記念日)に合わせて企画された。また、社会主義改革・開放、ソウルオリンピックなどの情勢変化に対応した誇示的建設もあった。だが、1992年の統一通り造成を最後に平壌市の大規模建設事業は事実上中断された。経済難の余波であった。2010年に始まった「平壌10万戸建設」事業は、18年ぶりの大規模建設事業の再開と金正恩委員長の登場を知らせる信号であった。2012年に金日成生誕100周年に合わせて推進されたこの事業は、その後全国的な“建設ブーム”を作り出した。抑えられていた住宅欲求を爆発させたのだ。社会主義文明国論は、こうした建設ブームを合理化し促進した。以後、建設は高強度対北朝鮮制裁の“無用論”と体制の健在を知らせる手段として活用されもした。

執権以後、世界化傾向を強調
北の立ち後れたイメージを払拭し発展欲求を表出
都市建設で市場化・移動性も高め

“都市企画”は政治的メッセージ
北朝鮮メディア、建設現場現地指導を報道
指導者の地位・権威のイメージに活用
金正恩時代の登場を知らせた「平壌10万戸」
制裁無用論・体制健在の誇示手段

住民結束・経済発展の未来
党創建日・金日成誕生日の完工を目標
都市建設“劇的ドラマ”で再構成
三池淵・元山などであらわれた発展戦略
北朝鮮制裁の解除・非核化なしには不可能

■世界的傾向と都市スペクタクル創出

 金委員長は執権以後、ひたすら「世界的傾向」を強調した。世界的な都市が見せる洗練性と現代化した様式を模倣し、ついて行くことを強調したのだ。1990年代以後の20年余り、立ち後れた国家のイメージを一新したいという欲求、発展および開放の欲求が投影された談論だ。平壌国際飛行場建設、多くの大規模道路造成、スカイライン企画、大同江(テドンガン)親水景観造成、4D映画館(立体律動映画館)、多様な観光商品開発、夜景(灯装飾=ネオンサイン)強調などは“視覚的経験”に基づく“商品”として都市に付属している。

 洗練された都市のイメージは、平壌市民の日常生活と消費生活を通じても具現される。最近、平壌を訪問した多くの観察者は、平壌の活気、洗練性、華麗さを異口同音に話す。都市景観化は、平壌の華麗になった夜景で頂点に至る。金委員長は「灯装飾をうまく使うことに対する綱領的課題」を下したかと思えば、内閣傘下に「直観灯装飾指導局」と、指導局の傘下に「仙境灯装飾研究所」を設立し、灯装飾の効果を最大化させた。「社会主義仙境」としての夜景効果は、住民の国家に対する信頼と誇りを高める次元でもある。

■建設ストーリーの創出を通した住民結束

 大規模道路および住居建設は、劇的な建設ドラマとして再構成される。党創建日や金日成生誕日に完工目標を設定すること自体がきわめて劇的な要素を持つ。短い工期にもかかわらず、皆が力を合わせて日程に合わせて目標を達成することになれば、この記念日の意味と象徴性を倍加させて高めさせるためだ。全国家的、全社会的関心イシューとして、あたかも一編の建設ドラマを劇的に書くように、連日北朝鮮のすべてのメディアが建設現場のニュースと美談を伝えることに没頭する。建設の中間に金正恩が訪問した写真が大挙公開され、劇的な効果を高める。

■都市開発欲求の中で経済発展の未来

 金委員長は先週、三池淵(サムジヨン)と元山(ウォンサン)を訪問し、4カ月ぶりに現地指導を再開した。力点を置いた元山葛麻(カルマ)海岸観光地区の完工時期を10月の党創建日から6カ月延ばした。2回目の延長だ。対北朝鮮制裁でそれだけ内部事情が厳しく切迫しているという意味だ。金委員長の執権以後、都市開発プロジェクトが“総計画図”の形で公開され続けている。すでに知らされたものだけでも、元山、三池淵、新義州清津(チョンジン)、恵山(ヘサン)、陽徳郡(ヤンドクグン)がある。都市別総計画図を見れば、金委員長が進めようとする経済発展の戦略を視覚的に確認できる。対北朝鮮制裁の解除や非核化なしには進められない。非核化の真正性は“話”や“合意”以上に、すでに都市開発プロジェクトの中にあらわれている。

ホン・ミン統一研究院北朝鮮研究室長

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/889418.html