日本の敵速報

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【#朝鮮日報】【コラム】韓国では国益よりも優先される政治的理念

 A氏は28年間、外交官を務めてきた。このうち15年間は日本に関する業務に携わってきた。日本勤務だけを見ても、書記官・参事官・公使の3回にわたる。東京に駐在していた期間は10年以上だ。現在の外交部幹部の中では、日本での業務経験が最も長い。そのA氏が、断交が取りざたされるほど韓日関係が悪化している先月末、ヨーロッパの公館に異動した。2017年から2年連続、国政監査でA氏の「朴槿恵(パク・クネ)政権時の大統領府」勤務経歴が問題となり、左遷されたとの見方が支配的だ。A氏については「特に党代表を務めた経験のある与党議員が執拗(しつよう)に人事清算を主張したため、何らかの人事的措置が取られるだろう」とうわさが立ち始めた。結局、A氏は慰安婦関連業務を前政権で担当したという理由で公館長にはなれず、駐日大使館よりも小さな公館に異動しなければならなくなった。

 外交官B氏。キャリア26年のB氏は昨年半ごろ、大統領府に派遣されるだろうと言われていた。日本勤務の経験もあり、国際法にも明るく、外交部とその周辺ではB氏が大統領府で対日業務を務めることに納得している雰囲気だった。ところが、いつの間にかB氏の大統領府勤務は「なかったこと」になってしまった。B氏の経歴調査をした大統領府が拒否したという話が耳に入った。B氏の家族が現政権に批判的なのが問題になったという見方もある。 B氏の大統領府勤務が白紙化された理由は明らかにされず、大統領府の対日業務は今、日本勤務の経験がない若い外交官が1人で務めている。

 外交官A氏とB氏のケースは、2017年の文在寅ムン・ジェイン)政権発足以降、外交部(省に相当)で何が起こっているかを端的に示している。文在寅政権はこれまでのエリート外交官たちを「集団いじめ」している最中だが、対日業務では特にその程度がひどい。

 仕事熱心で能力のある外交官が政治的な理由から排除されているため、外交官の士気が下がっているのは、はた目にも分かる。東京にいる韓国の外交官たちは最近、韓国事情に明るい日本の政治家や公務員たちの同情の対象になってしまった。東京のある消息筋は「日本をよく知る外交官が起用されなければ結局は韓国の国益損失につながるということが分からないのか」と首をかしげている。

 中国政府は、9年間駐日大使を務めた程永華氏を間もなく交代させる予定だ。書記官時代から25年間にわたり日本で勤務した同氏は、その名前だけ見ても重みを感じさせる人物だった。その後任に内定した人物も、東京に10年以上滞在した経歴のある孔鉉佑外務次官だ。韓国よりも数倍は力のある国がそうした人事をするのには理由があるのだろう。ところが、文在寅大統領はその全く逆を行っている。日本についてよく知る外交官を左遷させ、自身の周囲には近寄らせない。能力中心の人事原則を排除し、コード(政治的理念・傾向重視)人事を優先させる国の外交がもたらす将来に恐怖を感じる。

東京=李河遠(イ・ハウォン)特派員