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【#朝鮮日報】【コラム】トランプ大統領に会う前に「ミュラー報告書」を読め

 米ワシントン市内の小さな町の書店でも、トランプ氏の大統領選挙陣営によるロシア内通疑惑を調査した『ミュラー特別検察官報告書』を山積みにして売っている。インターネット書店でも既に予約注文だけでベストセラーになった。トランプ大統領を理解するのには最高の本だからだろう。トランプ政権の内幕を暴露し、ミリオンセラーとなったマイケル・ウォルフ記者の著書『炎と怒り トランプ政権の内幕』より赤裸々で、ウォーターゲート事件をスクープしたボブ・ウッドワード記者の著書『恐怖の男 トランプ政権の真実』もかなわないほど綿密だ。

 ミュラー報告書を見ると、トランプ氏は自身の選挙陣営とロシアの内通疑惑がどのように展開されることになるのかピンと来なかったようだ。2017年初め、トランプ政権で初の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたマイケル・フリン氏がロシアとの接触についてうそを言ったことを認めて辞任した。トランプ氏はその時、フリン氏を「除去」したからロシア問題は終わったと思っていた。だが、当時のクリス・クリスティニュージャージー州知事は「靴底についたガムのように、この問題は決して簡単に取り除けない」と言った。

 その後、トランプ氏はロシア内通疑惑から逃れるのに苦労した。報告書を見ると、その努力がどんなに執拗だったのか、トランプ氏は実は気になることがあったのではないかとの疑問が芽生えてくる。トランプ氏はダン・コーツ国家情報長官など複数の参謀に対し、自身がロシア疑惑と無関係であることを公の場で話すよう要求した。だが、参謀たちは根拠がないという理由で大統領の要求を無視した。

 ミュラー報告書の最も優れている点は、トランプ氏の参謀たちの「抵抗の歴史」にある。「予測不能」なトランプ氏はホワイトハウスで自分勝手に全部やっているように見えるが、意外にもそうではなかったということだ。参謀たちは不適切な指示に従わなかったり、拒否したりして抵抗することも少なくなかった。そのため、トランプ氏は自分の好き勝手にはできなかった。

 当時のドン・マクガーン・ホワイトハウス法律顧問はトランプ氏による特別検察官解任の試みを阻止した。トランプ氏はマクガーン氏に対し、「ミュラー特別検察官解任の指示をローゼンスタイン司法省副長官に伝えろ」と言ったが、マクガーン氏は拒否した。当時のジェフ・セッションズ司法長官はかつて大統領選挙陣営で働いていた点を考慮し、自ら捜査指揮権を放棄した。トランプ氏は激怒し、再び捜査を指揮して自分を保護しろと要求したが、セッションズ長官は抵抗した。結局は2人とも辞表を提出して退いた。このほかにも当時のキャサリン・マクファーランド国家安全保障担当副補佐官、ローゼンスタイン司法省副長官など複数の人々が大統領の指示を拒否した。

 トランプ氏の大統領就任以降、地球上ほぼすべての政権が対応方式を見いだすのに苦心した。効果が実証された方法の1つは、おだててトランプ氏を「丸め込む」ことだった。「次期ノーベル平和賞候補」と持ち上げ、「ほかのどんな大統領もできなかった大きなことをやり遂げるだろう」と賞賛すれば、自分たちの望む方向にトランプ氏を動かせると信じていた。しかし、今年2月にベトナムハノイで行われた2日目の米朝首脳会談が決裂したように、その方法ももはや通用しない。

 ホワイトハウス参謀は最近、トランプ氏の首脳会談での1対1面談時間を最小限に抑えているという。先日の韓米首脳会談の時のように、拡大首脳会談の方により多くの時間を割いているということだ。トランプ氏が「丸め込まれる」のを防ぐための参謀たち苦肉の策だ。

 韓国政府は、依然として米国との関係ではトランプ氏をおだて、北朝鮮の核問題ではトップダウン方式だけが唯一の代案だと信じているようだ。だが、「ひたすらトランプ氏だけ説得すればいい」というのは、現実とかけ離れていることをミュラー報告書は物語っている。トランプ政権を相手にしなければならないなら、ミュラー報告書を一度読むことを勧めたい。「大統領が望んだからと言ってすべて従うことはできない」と言い、反旗を翻す参謀が意外と多いことに驚くだろう。

ワシントン=姜仁仙(カン・インソン)支局長