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【#中央日報】【コラム】外交・貿易の多角化が米中衝突で韓国が生きる道だ

現在、米国と中国は相手国輸入品に対する関税賦課を通した「貿易戦争」を行っている。世界経済の40%を占める世界1、2位の経済大国(G2)の間に広がっている近隣窮乏化政策が両国の経済だけでなく世界経済全体に莫大な悪影響を及ぼすことになるのは自明なことだ。国際金融・外国為替・証券市場が大きく揺れ動いている理由だ。そのうえ、貿易と金融の両側面の対外依存度がずば抜けて高いだけでなく、これらG2国家に対する輸出依存度が40%に達する韓国にとって、その衝撃は大きくならざるをえない。

われわれ韓国は適切な対応策づくりのために、まず米中貿易戦争の本質を正確に把握することが急務だ。これが数回の交渉で解決できる単純な貿易次元の葛藤なのか、あるいは長期化が避けられない構造的複合性を持った問題なのかを判断しなければならない。

当初、米中貿易戦争は、ドナルド・トランプ大統領が対中貿易赤字を解消すると言って中国輸入品に対して関税を課すところから始まった。ところが現在の米中葛藤イシューは米国の知的財産権の保護や技術移転の強要防止など、米国企業の技術保護のための中国の法制化が焦点になっている。このような措置は米国企業の競争力維持に役に立ち、究極的に米国の対中貿易赤字の解消に寄与するかもしれない。

しかし、より一層重要なのは、経済力だけでなく軍事力を育てる核心要素がまさに技術という事実だ。中国は2050年までに軍事力と国際舞台での影響力の面で世界最強国になるという「中国夢」達成のために「中国製造2025」という中間目標を立てて、その核心に先進技術の確保を据えている。現在、米国は中国の先進技術の盗用と技術確保の方法の不法性と非公正性を問題にしている。現在の米中衝突は、従来の超強大国と新たな覇権国として浮上するために努力している国家間の覇権争いであることが明らかだ。

かつてトウ小平は、中国の国力の弱さを認め、実力を蓄えることだけに専念すべしとする「韜光養晦」を対外戦略とした。しかし中国は2001年世界貿易機関WTO)への加入後、高度成長で自信を持ち始めた。このように中国の浮上を世界の威嚇要素と見る西側国の見解を払拭させるために、胡錦濤は和平崛起を掲げることになった。しかし、中国経済の割合がぐっと増え、米国との経済力の差が急速に縮まるに従い、習近平時代に入りながら「中国民族の偉大な復興」を成し遂げて、中国の過去の栄光を取り戻すという「中国夢」を堂々と掲げることになった。

さらにこの中国夢達成のための一帯一路(陸上・海上シルクロードの建設)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設、中国製造2025など具体的プロジェクトが中国自身が驚くほど成功裏に推進されて中国の自信はさらに高まった。

一帯一路プロジェクトにはすでに80余カ国が参加している。主要7カ国(G7)のうちイタリアも今年に入って中国との一帯一路参加了解覚書(MOU)を交わした。当初、中国自ら相当な困難を予想していたAIIBは、現在は米国・日本を除く世界主要国が参加する多国籍機構に成長した。中国はすでに人工知能(AI)・ビッグデータ・自動運転車・ドローンなどの第4次産業でも米国を上回るかそれに次ぐ地位になっている。中国の通信装備会社「ファーウェイ(華為)」は第5世代(5G)通信標準先行獲得のためにあらゆる努力を傾けていて、米国はファーウェイの米国友好国家進出を直接阻止しようとする政策を展開している。

習近平主席は中国夢を力説した2017年全党大会で、中国は覇権国家としての野心はないと明らかにした。しかし、米国と西側は中国の覇権国に向かった具体的行動と政策を見ながら、習主席の修辞を額面通りには受け止めてはいない。特に、最近1~2年間、米国と欧州連合(EU)では中国に対する過去の「純真な」考えを捨てて、新しい対中戦略が必要だという声がますます高まっている。

西側世界は少し前でさえ、法規に基づいたWTOのような自由主義的世界秩序に中国が合流することになれば、自由市場経済体制への転換とあわせて政治体制も次第に民主化するだろうと考えた。そして中国は国際社会で責任ある利害関係者としてグローバルリーダーシップを発揮するだろうと期待した。

ところが最近、欧州連合(EU)は公式報告書で、中国を体制的ライバル(systemic rival)と規定した。米国官民から出ている最近の報告書でも、対中戦略は変わるべきだという点を強調している。米国議会の民主・共和両党指導級の人々が、最近、対中強硬政策を支持するようになったのも注目に値する。トランプ大統領が最近、対中強硬政策に旋回することになったのも、これと無関係ではなさそうだ。

現在の米中葛藤は、両国間の相異なる経済体制(自由市場経済体制と国家主導市場経済体制)の衝突という側面でも解決がさらに難しく複雑だ。中国の国家主導経済体制の下では、政府所有企業に対する各種補助金支給と支援で優秀な海外人材を大量確保して研究開発(R&D)と技術獲得を可能にしている。米国はこのようなやり方そのものに対して拒否感を持っているだけでなく、米国の民間企業との不公正な競争を中国政府が後押ししているとみている。

両国体制間衝突の裏には、政府の役割に対する相異なる文化と伝統の影響も大きい。西側では政府を「必要悪」と見るが、中国の伝統的見解は「必要善」だ。国際政治学者のサミュエル・ハンティントンはかなり以前に「文明の衝突」の可能性は中国と西側との関係にも存在すると主張した。長年の文化と伝統に根ざした体制間の衝突は短期間で解消することはできない。そのうえ、すべての中国人が最も骨身にしみて感じている「侮辱の世紀」を越えて、過去の栄光を取り戻し、中国が世界秩序の中心となろうとする野心に満ちた目標を簡単にあきらめるわけがない。1985年プラザ合意のような解決方式を期待できない理由だ。

トランプと習近平は翌月、日本で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で貿易紛争を議題として会うものとみられる。両国ともにある程度の妥協の余地を残しつつ対立する様子を見せていて交渉の決裂ではない延期を含む一種の合意の可能性はある。トランプと習近平はそれぞれ別の動機と戦略で、臨時方便の「ディール」を必要とする。

来年再選を果たさなければならないトランプは国内政治次元の短期利害の計算で中国との交渉成功を叫ぶことができるディールが必要だ。反面、習近平は中国夢実現のために中国式長期戦略的次元で習主席個人の体面と威信を損なわない水準のディールで妥協する可能性がある。しかし、どんなディールも臨時方便的な縫合にすぎず、両国間の覇権競争は今後も絶えず繰り返されるほかはない。

中国は2020年代中盤を越えると、米国経済を上回るようになるとみられている。しかし、一人当たりの所得や軍事力のようなハードパワーはもちろん、同盟関係を含めたソフトパワーで米国の優位は数十年間持続するとみるべきだ。両国間の経済的相互依存性を考慮するとき、覇権国と新興強者間の戦争が避けられない、いわゆる「トゥキディデスの罠」に陥る確率はそれほど高くない。われわれ韓国が心配すべきことは、グローバルリーダーシップの不在で世界経済の持続繁栄のために必要な自由貿易、金融・外為の安定のようなグローバル公共財の供給不足だ。世界経済が困難にぶつかった第2次大戦以前のように、「キンドルバーガーの罠」に陥る可能性が高いという意味だ。

このような環境で、われわれは海外市場の確保と金融・外国為替相場の安定のための実事求是の経済外交から貿易多角化努力が強化されなければならない。日本との交易比重も増やしていかなくてはならない。このために環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)にも参加して、主要国との通貨スワップも拡大しなければならない。米国との隙のない同盟関係の維持は必須だ。東南アジア諸国連合ASEAN)など後発開発途上国との外交多層化戦略も講じなければならない。

中国は経済的レバレッジを通じて地域覇権国として影響力の行使を強化していくことは目に見えている。われわれは選択と集中で対中優位分野を守り、新たな分野を開拓していかなければならない。このために、政府は起業しやすい環境を整えることによって、創造力あふれる人材育成のための教育改革とあわせて企業家精神が活気を取り戻せるようにしなければならない。第4次産業化に見合った規制体制の見直しとともに大幅な労働市場改革も急がれている。中国が第4次産業分野ですでに韓国を先んじているという事実を深刻に受け止めなければならない。

司空壹(サゴン・イル)/世界経済研究院名誉理事長