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【#朝鮮日報】【コラム】文大統領は空理空論から脱することができるか

 就任3年目に入った文在寅ムン・ジェイン)大統領は、政権の実績をどのように評価しているのだろうか。「経済、外交、国防、社会葛藤の調整、未来に向けた再跳躍のためのモチベーション確立などの分野で目標を達成した」―今もこのように考えているとすれば、押し迫る国難に対し、国民全てが自分のことは自分で責任を持つ覚悟で備えるほかない。

 現状況に対し最も遺憾の念を抱いている人は、故・金大中(キム・デジュン)、故・盧武鉉ノ・ムヒョン)両元大統領だろう。両元大統領は決定的な瞬間に実事求是を判断基準とした。「実事求是」とは、客観的事実を通じて判断し、解答を得ようとする姿勢だ。「実事求是」の反対語に「空理空論」がある。現政権の問題の根源には「空理空論」がある。

 故・金大中元大統領は1998年10月の日本訪問を控え、日本の月刊誌「文芸春秋」と会見した。この会見のインタビュアーには、日本の総合商社の韓国法人代表だった日本人が登場した。前例のないことだった。形式の崩壊はこれだけではなかった。大統領は、通訳に対して、「日本語」の質問は通訳せずに、本人の「韓国語」の回答だけを日本語に直すよう指示した。通貨危機が最高潮に達し、175万人の失業者が通りをさまよっていた。こうした状況で大統領は「形式」を捨て、日本に送る「メッセージ」を選んだのだ。

 通貨危機の克服見通しについて問う質問に対する大統領の回答は、1978年にトウ小平が日本メディアを前に行った会見と共に外国人指導者の語録に今でも取り上げられている。トウ小平は「文化革命での毛沢東の責任」について問う質問に「その災難は政治経験が足りなかった私たち全員の責任」と言ったのだ。

 「韓国国民は建国以来、四つの試練を乗り越えてきた。まず最初に、1948年に共産党の抵抗をよそに大韓民国政府を樹立した。次に、朝鮮戦争の際に共産主義を撃退して国を守った。三つ目は、戦争の廃虚の中から世界で11番目の経済大国として成長した。最後に昨年、民主選挙で政権交代を成し遂げた。試練を災い転じて福となすの精神で乗り越え、今回の危機も先進国入りするための踏み切り板になると信じている」。政治的にも対立する陣営となる故・李承晩(イ・スンマン)元大統領の建国と韓国戦争(朝鮮戦争)の克服に対する功労、故・朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の経済国家建設に対する功労を積極的に認め、故・金泳三(キム・ヨンサム)元大統領の責任問題には触れずに通り過ぎることで、故・金大中元大統領は日本国内での評価を大きく引き上げた。

 こうして日本を訪問した故・金大中元大統領は、日本国民の心をノックした。インタビュアーは「ワールドカップの開会式が天皇の韓国訪問のきっかけとなる可能性はあるか」と注意深く質問した。当時も「日本の天皇」を「日王」と呼んでいた。そして天皇が住む場所を天皇が住むという意味で「皇居」と表現した。韓国は「『日王』が『皇居』で退位儀式を執り行った」という非文法的表現を使う唯一の国だった。

 「友好国の国家元首が行き来することができないということは不幸なことだ。今回の訪日で将来天皇訪韓する際に韓国国民が温かく歓迎する雰囲気を造成したい」。こうしたメッセージを通じて日本での韓日友好への機運が高まりを見せるようになり、各種の世論調査で日本国内の親韓雰囲気は90%にまで上ったほか、韓国のテレビドラマが日本のリビングで見られるようになり、南怡島をはじめとするドラマのロケ地は日本人観光客でごった返すようになった。こうした実用主義は、「海軍だけが国軍の正統か」といった議論を生んだり、「親日勢力と共産主義者」を登場させたりした文大統領の説教とは非常に対照的だ。

 韓国は「同盟の実用主義」で、主体思想という北朝鮮の空理空論を圧倒してきた。「同盟の原理」は「てこの原理」と似ている。小さな力で重い物を持ち上げるのだ。故・金大中元大統領は、北朝鮮問題に没頭する前に、韓米同盟のてこが頑丈かどうかを先に点検した。国際関係で空理空論の終着点は孤立無援だ。「日本訪問の帰国途中にでも、しばらく韓国を訪問していただきたい」と悲惨にも米国大統領をつかまえるほかなくなるのだ。

 現政権の空理空論の代表選手は所得主導成長論だ。「鹿を見て馬」と言わない限り、大統領府の政策室長や経済副首相の候補名簿にも記載されない。こうして働き口創出のための予算54兆ウォン(約4兆9000億円)はまるで煙のように消え去った。

 文大統領は、一時自主に走った故・盧武鉉元大統領が空理空論から脱し、韓米自由貿易協定(FTA)の締結を決断して以降に経験した葛藤と苦痛を近くで見守った。側近と支持者たちが大統領の顔につばを吐きかけた。文大統領は「空理空論列車」から「実事求是列車」に乗り換える最後の乗換駅に立っている。文大統領は苦しみに正面から立ち向かっていくことができるか。

姜天錫(カンチョンソク)論説顧問