日本の敵速報

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【#朝鮮日報】【コラム】核弾頭よりも強いサッカーボール

 29年前、史上初めて北朝鮮平壌で南北サッカー代表チームの親善試合が行われた翌日の韓国主要日刊紙を見ると、統一に向けてグッと近付いたように書かれていた。手を取り合って喜び合う南北のキャプテンたちの写真と共に「歓喜」「感激」などの前向きな言葉ばかり並べ立てられていた。「綾羅島メーデー・スタジアムを埋め尽くした観客15万人と両チームの選手たちが『我らの願いは統一』を一緒に歌った」との記事を読んだ当時の読者たちの心情はいかばかりか、容易に見当がつく。

 しかし、今回のサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会2次予選で、29年ぶりに2回目の南北サッカー対決が行われたが、翌16日付の新聞のサッカー記事は「無観客試合に荒唐無稽(むけい)なテキスト中継」「世にも珍しい南北サッカー」など冷ややかな内容がほとんどだった。若者層が主導するインターネット世論は一層シビアだ。北朝鮮の理解しがたい交渉姿勢により生中継が不可能となり、「テキスト中継」で試合経過を知ったファンたちは非難ごうごうだった。「ミサイルでも変わらなかった北朝鮮に対する認識をサッカーのテキスト中継が変えた」「こんな国と五輪やワールドカップ共催を推進するなんて正気なのか?」「同じ民族であることが恥ずかしい」…。

 韓国国内の状況だったなら、「いっそのこと『のろし』や伝書鳩を使えよ」といった冷やかしまじりの批判が反響を呼んだことだろう。だが今回はそれよりも「北朝鮮に対する違和感の方が大きい」というコメントが多くの共感を得ている。これまで北朝鮮がどんなにミサイルを発射し、核実験をしても「安全保障なんて自分にとっては遠い話」と片付けていた人たちが、今回のサッカー事態で北朝鮮の「身勝手」な姿に驚がくしているのだ。

 2003年にも韓国は北朝鮮住民の生硬な姿に驚いたことがある。当時、大邱夏季ユニバーシアード大会の応援団として訪韓した北朝鮮の女性たちは、金正日キム・ジョンイル)総書記の写真が印刷された横断幕が風雨やほこりにさらされたまま、掲げられているのを見つけて、「将軍様の写真をこんなところに掲げておくなんて」と涙の抗議をした。北朝鮮応援団が初めて訪韓した2002年釜山アジア大会の時、北朝鮮式の応援を好奇心いっぱいに見守り、好意を抱いた韓国国民が、そのわずか1年後、容易に埋められない南北の溝を感じたものだった。

 太陽政策とは、金大中(キム・デジュン)政権時、経済・文化・スポーツ交流を通じて南北間の緊張を緩和し、最終的には北朝鮮を改革・開放に誘導しようという融和政策だ。当時の経済・文化・スポーツ界全般で起きた「史上初」の交流に胸をときめかせた記憶は今も鮮明に残っている。しかし、このような交流が連続性を失い、「1回限りのイベント」的な性格を帯びてくると、感動は徐々に少なくなっていった。その代わり、北朝鮮の武力挑発や傍若無人な態度によって反感の方が高まっている。

 文在寅ムン・ジェイン)政権は依然として北朝鮮と2023年の女子サッカーW杯、2032年の五輪共催を公論化している。しかし、共に手を取り合うべき相手は、2002年韓日共催サッカーW杯の開催期間中に第2延坪海戦を起こし、2010年の韓国海哨戒艦「天安」爆破・沈没や延坪島砲撃を起こした北朝鮮だ。彼らはこうしたことについてまだ一言も謝罪していないことを忘れてはならない。

スポーツ部=ユン・ドンビン記者