日本の敵速報

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【#アジアプレス・ネットワーク】<北朝鮮内部>新型肺炎流入の情報拡がる 政府情報信用せず不安増大 当局は流言にピリピリ

◆逃亡した隔離者を処刑の噂まで
国内で、すでに新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が出ているという、真偽が定かでない噂が各地で拡がり、不安心理が拡がっている。
中国国境に位置する咸鏡北道会寧(フェリョン)市に住む取材協力者Aさんは、2月7日、近隣の羅先(ラソン)市で、すでに新型肺炎が拡散しているという情報が拡がっているとして次のように伝えてきた。羅先市は、中国との交易が活発で、中国人の往来が多い地域だ。

「羅先から来た両替商らと会って聞いたところ、すでにコロナの病気が入って来ており、中国の貿易商と接触して症状が出て隔離されている人がいるそうだ。そのうちの一人が風邪だと言い張って隔離病棟から逃げ出し、保安署(警察)に逮捕されたそうだ」

逮捕された人は即決で銃殺になったという、根拠不明の噂も拡がっているという。

協力者Aさんが羅先市内の情報を伝えてきた背景には、居住する会寧市で、当局の対応が厳格になったためだった。Aさんは次のように説明する。

「『非社会主義グルバ』が、隔離などの国の措置に背く者は軍法で処理すると、住民たちに警告している。こんな強い措置が出されたため、人々の間では、国内でも相当に流行しているからではないか? という疑心が拡がっている」
※「非社会主義グルパ」とは、社会主義の秩序を乱す行為を取り締まる専門組織のこと。

◆流言飛語の取り締まりに乗り出す
同じ咸鏡北道の茂山(ムサン)郡の協力者は6日、全世帯に設置されている住民向け宣伝用の有線放送で「流言飛語をばら撒いた者、市場の物価をつり上げた者を、実名で批判する放送が始まった」と伝えてきた。

朝中間で最も交易量が多い平安北道新義州(シニジュ)では、2月初めに、二人の感染者が発生して、まもなく新義州を他都市から遮断するらしいという噂が流れ、両江道などの他地域に広まった。当局がやっきになって打ち消しに走り、この噂はいったん沈静化したそうだ。

また、韓国の中央日報は7日に、「北朝鮮消息筋」の話として、平壌で女性の感染者が発生したと報じたが、真偽はともかく、この情報も「韓国発」として北朝鮮内に流入していくのは時間の問題だろう。

金正恩政権は、労働新聞やテレビを通じて、連日、防疫体制はしっかりしている、我が国には感染者はいないと繰り返しアナウンスしている。しかし、北朝鮮住民の大部分は国営メディアを信用しておらず、新型肺炎関連の外部情報に注目する人が多い。国内の取材協力者たちからは、中国で死者が何人出ているのか、どれほど深刻な病気なのかと、筆者が質問ぜめにあうほどだ。

現在までのところ、一般住民の認識は、国境封鎖によって中国産品の輸入が止まっていることから、病気そのものよりも物価高騰や必需品の欠乏など、経済が混乱することに対する恐怖の方が大きい。中国国境から遠い地域では、まだ病気に対して警戒心も関心も薄いという。(カン・ジウォン)
※アジアプレスでは、中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。